プロポリスの危険性
プロポリスの危険性はきちんと説明されているか?
ここ数年、プロポリスは何度目かのブームで、大手企業もこぞって参入している一方、初めて飲むという人も急速に増えて、情報も氾濫しがちになっています。そんな中、どの会社も自分の扱うプロポリスのメリットばかりを主張するものだから、なかなかプロポリスの危険性について教えてくれるところがないのも確かですね。では本当に安全なのか?という疑問がわくのは当たり前です。本当は各社独自に様々な研究や治験などを行って安全性や有効性についてのエビデンスを集めているのですが、これは薬事法などの絡みがあり、現時点ではメーカーや販売会社自身が公表することはできません。当店もプロポリス販売店という立場なので完全中立とはいきませんが、可能な限りコメントしてみたいと思います。
過去には大きな事故も
先ず、プロポリスが危険かどうかということですが、以前1970年代にアルゼンチンで販売されていたプロポリスが抽出アルコールにエチルアルコールではなくメチルアルコールを使用したことがあり、失明や肝臓障害など様々な事故を起こしたことがあります。これは、プロポリスに問題があったわけではなく、抽出業者がコストを安くあげようとメチルアルコールを使用したわけですが、メーカーが体内で蟻酸という猛毒に変化することを知らなかったのかと呆れてしまうような話でした。現在では、輸入されるプロポリスはそのアルコール成分についても厳しく調べられますので、そうしたあり得ないような事は起きません。
急性毒性試験データ
また、色々なサイトを見てみると、プロポリスが重篤な肝臓障害を起こすと書いているところもあります。ただ、プロポリスの権威、松野哲也教授の著書(*1)には、2年間毎日30mlのプロポリスを飲み続けた人の生化学検査でも、問題があった臓器の数値の改善はあっても悪影響は全く見られなかったという話がありましたし、プロポリスのショップをもう10年続けていますが、そうした機能障害があったという話は聞いたことがありません。
この裏付けとして、食品の安全性に関し用いられる急性毒性試験(LD50)の文献データがあります。これは、投与した動物の半数が死に至る致死量を測定する試験ですが、プロポリス抽出液を用いたヨーロッパで行われた試験では、対マウスが7.34g/Kgで毒性なし、皮膚に対する一次性刺激試験でも無刺激性と判定されています。(*2)
過信は禁物
ただ、プロポリス関連の書物を読むとよく書いてある「メンケン反応」というものには疑問を持ちます。これは、プロポリスを飲み始めた直後、体の悪いところが急激に悪くなった後、急激にそれが回復・改善するというものです。先ずそんなことは薬事法を前にして言えないのは当たり前ですが、万が一、そういう改善がなされたとしても、それが100%保証されないのであれば、恐ろしくて薦めることはできません。もし、プロポリスを飲んで気分が悪くなってそれが戻らなかったら誰が責任を取るのでしょう。私ならば、即飲用を止めることを薦めます。
毒性よりもアレルギー?
また毒性とは別に、プロポリスの危険性について最も議論されているのがアレルギーです。はちみつアレルギーや蜂毒アレルギーを持っている人は下手をするとアナフィラキシーショックを起こし、最悪の場合命にかかわると。確かに、プロポリスは200-300もの成分からなる混合物の王様みたいなもので、種類が多い分余計にアレルゲンを含む可能性はあるかもしれません。ただ、どんな食物にもアレルゲンとなる可能性があります。アレルギーとは一体何でしょう?アレルギーとは、白血球やリンパ球など、体の免疫機能が体の外敵でないものさえも敵だとみなし攻撃を行うことです。中には自分の体の一部をアレルゲンとみなして、自分を攻撃し続けるリウマチやアトピーなどの自己免疫疾患もあります。これらアレルギーは、近代病とも言われ、清潔な暮らしになればなるほど、攻撃する相手を失った免疫機能がなんらかのエラーを起こし、自分や外敵でないものすら攻撃するようになったのではないかという説もあります。このエラーは、遺伝子の異常など様々な原因が示されていますが、加齢により破損した遺伝子は修復されることがないため、ある日突然アレルギーを発症することになるのです。基本的にはこれらの発症したアレルギーは緩和されても、完全に治癒されることはありません。将来、iSP細胞で生まれたときの臓器や器官と取り替えることができるのであれば、こうした免疫異常は完治することも可能だとは思いますが。
大切なのは使い方
話は長くなりましたが、プロポリスがアレルゲンとなる可能性はありますが、他の食物と同じだけの可能性であって、特異的にアレルギーを起こしやすいものということではありません。昨年、ブラジルの養蜂場に行ったときにハチに刺されました。刺された後、1週間程度熱を持ち、なかなか腫れが引かず、現地の人にもこれはアレルギーではないかと言われました。現地の養蜂場で働いている人の話を聞くと1日に20箇所も刺されるそうですから、もしそんなに腫れが引かなければ仕事にならないでしょう。それでも、私は毎日プロポリスを飲んでいて、何の問題もありません。
最後にもう一つだけ、プロポリスの飲用の歴史はまだ短いということ。人類はプロポリスを4,000年も愛用し続けてきましたが、実は飲むという歴史は20世紀になってからです。それまでは皮膚に付けることが殆どで、飲んではいませんでした。なので、飲むことについての危険性は見つかってないのではないかという疑問はあります。確かに、あれだけ刺激が強いものですから、胃弱の人で飲むのがつらいお客様はいらっしゃいました。当店でも直接そのまま飲むことは薦めていません。でも、考えられる危険性はそんな程度です。
どんなものにでも危険性を見つけることはできますが、むしろプロポリスは自然から採れたもので、メーカーがきちんとした環境で作ったうえで、その使い方さえ間違えなければ皆さんの素敵なパートナーになってくれると思います。
ここから加筆しました。(2020-10-16)
プロポリスの危険性については、とても多くの方が読まれていることがわかってきましたので、より情報量の多い、信頼性の高いデータベースを追記しておきます。これは、国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所が運営している「健康食品」の安全性・有効性情報というページです。ここは引用すら禁止していますので、ご自分でこのサイトに行き、プロポリスで検索して安全性についての資料をお読みください。有効性も含め、圧倒的に情報量が多いのでご一読されることをおススメします。
参考文献:(*1)「プロポリスでガンは治るのか?」松野哲也著-中央アート出版
(*2)Europe PubMed Central - http://europepmc.org/abstract/MED/8410623)
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