プロポリスは千差万別とはよく言いますが、どこが違うの?
プロポリスの成分と優劣
プロポリスは、大抵バルサム樹種が50%、ヤニが30%、油分10%、5%花粉、その他5%がアミノ酸やビタミンなどの物質で構成されていると言われています。ところが、似たような構成にもかかわらず、どうして良いプロポリスとそうでないプロポリスに分かれているのでしょうか?
プロポリスはミツバチが集めて来た植物の葉や茎や芽、樹皮など様々な物質を自分の唾液と混ぜ合わせて作っただんごのようなものなので、その蜂の巣からミツバチの飛行圏内にある植物の種類によって決まりますが、国や地域によって主原料となる植物が違ってきます。例えば、西洋ならポプラ、オーストラリアならユーカリ、そして最近のブラジル産プロポリスではアレクリンと大別されるでしょう。その中でブラジル産のプロポリスが最も優れていると言われる理由は何でしょう?当初は、オーストラリアから移植され大量に植林されたユーカリが多いからフラボノイドが豊富で優れているのだと言われていました。ところが、様々な研究を続けている間にアレクリンという植物の存在が浮かび上がってきたのです。
アレクリンの特異性
ここで興味深い研究結果を見つけました。ブラジルで一般的に販売されているプロポリスと、アレクリン(学名:Baccharis dracunculifolia)抽出物の成分分析比較です逆相高速液体クロマトグラフィーによる分析)。
左上が一般的なプロポリス、左下がアレクリン抽出物です。どちらの結果もクマル酸、ルチン、ピノバンクシン、ケルセチン、ガランギン等の値は非常に似ていますが、11番と13番と番号がふってあるケンペリドとアルテピリンCの値だけはアレクリン抽出物の方が多くなっています。つまり、アレクリンを多く含む植物にはケンペリドとアルテピリンCが非常に多く含まれるということなのです。
特に、アルテピリンCは様々な作用があることがわかっており、世界中で今もなお研究が続けられています。一言でプロポリスといっても千差万別。賢く選ぶ目を持ちたいものです。そのためにも、安易に買ってしまう前に製品パッケージをしっかりと見て、どこ産なのか、何が入っているか、どれだけ入っているかの情報を得ておくことが大切ですね。
引用文献:
Mário Roberto Maróstica JuniorI; Andreas DaugschI; Cleber Silveira MoraesI; Carmen Lucia QueirogaII; Gláucia Maria PastoreI; Yong Kun ParkiI - Comparison of volatile and polyphenolic compounds in Brazilian green propolis and its botanical origin Baccharis dracunculifolia http://www.scielo.br/scielo.php?pid=S0101-20612008000100026&script=sci_arttext
(2015/04/02アクセス)