ブラジルへのトランジット - アメリカだけは経由しちゃだめだ
ブラジルへのトランジットは世界の殆どの国経由で行ける
ブラジルは日本からおよそ18,000キロ離れた地球の裏側にある国で、時差はちょうど12時間。感覚的には相手が今何時かということはすぐわかるのだが、それだけ遠いからおいそれとはなかなか行けない。ビザを取得するのにも提出書類を揃えるだけでも手間なのに、申請には、東日本なら東京ブラジル総領事館、西日本なら名古屋ブラジル総領事館に行かねばならず(静岡だけは浜松ブラジル総領事館が例外的にある)、これだけで滅入ってしまう。さらには、今まで何度も立ち消えになったブラジルへの直行便がいまのところないため、どこかの国経由で行かなければならない。
ブラジルへのトランジットに安いアメリカのユナイテッド航空を選んでみたら。。
先日ブラジルに行くとき、先ず航空機チケットのサイトでどんなものがあるかを調べてみた。すると、あるわあるわ、ざっと調べただけでも、アメリカ経由、カナダ経由、ドバイ経由、アブダビ経由、南アフリカ経由、フランス経由、イタリア経由、オランダ経由・・・、まあ地球の裏側にいくのだから、理論的には世界のすべての国を経由するので、どこ経由もありというわけだ。ドバイや南アフリカ経由にもかなり興味はあったが、やはり今まで利用したことのある、あまり好きとは言えないがその酷さが想定できる、アメリカのユナイテッド航空を使うことにした。ところが、たまたま私の選んだユナイテッドはワシントンD.C.経由だが、これが最悪だったのだ。というのは、アメリカのワシントンD.C.は最も政治の中枢に近いところなので、入国者にはもちろん、たんなるトランジットですらも最も厳しいセキュリティチェックが行われるところだったのだ。つまり、世界で一番セキュリティチェックが一番厳しい国の、一番厳しい空港というわけ。
実際、入国審査から雰囲気が全く違った。いくつかのゲートの前に審査を受ける人がランダムに並んでいたが、私が適当にその1つの列に無造作に並ぶと、黒くて大きな審査官がこちらをジロッと睨み、「もう、お前の後ろに誰も並ばせるな!」と勝手に並ぼうとする者を制止した。たちまち走る緊張感。そして、全ての人の両手の指紋登録と顔写真撮影がほとんど無言で行われる。まるで強制収容所のよう。さらに荷物検査はパソコンや携帯電話、金属のついた物品を外してトレイに乗せるだけでなく、靴を脱ぎ、ベルトを外し、レントゲンの機械のようなものの前でバンザイの格好をして制止。そして、ボディタッチでのチェックも欠かさず。。。まるでアメリカのドラマを見ているかのような完全チェックに恐れ入った。それも、一度受け取ったスーツケースを次の飛行機に預けるために持ち運んでいたら、いきなりベルトコンベアに荷物をどんどん押し込んでいる黒いおっさんにスーツケースを奪われてしまい、慌ててそのスーツケースのありかを求めて探し回ってたら出発エリアを出てしまい、なんと普通では絶対にない二度目の究極セキュリティチェックを受けるはめになってしまった。さすがに二度目はベテラン気分だったが。
ブラジルへのトランジットには今のところドバイ経由がいいらしい
後からブラジルの知人に聞いたところ、アメリカのワシントンD.C.は一番セキュリティチェックが厳しく、一方中東のドバイ経由あたりが一番楽なのだそうだ。だから、旅慣れている人は、経由するだけでビザ購入も要求されるアメリカは決して経由せず、セキュリティチェックなどほとんどない、機内もゆったり、食事もよい中東のエアーを使うのが当たり前とされているそうだ。何事も経験だが、経験しなくていい経験もあるとちょっと残念に思った。