年をとると睡眠の質も悪くなる?
前回は歩くことが健康の基本と書きましたが、今回は睡眠。現代人の生活は、なんだかダラダラと夜遅くまで起きて、朝は早い、睡眠不足が常態化しがちです。トラックドライバーや夜のサービス業など、人によっては夜中に仕事をして昼に眠るなんて逆転現象の職業の人もいっぱいいて、人工衛星から東京あたりを見るとずっと明るい東京不夜城現象などは周知の事実です。そんな社会にあって、睡眠はおろそかにされがちです。
先日、ドコモヘルスケアが、自社製品の「ムーブバンド3」利用者を対象に睡眠に関する調査をしました。その結果、次のようなことがわかりました。先ずは眠りの質、つまり眠りの深さですが、最も熟睡が長いのは、10代の女性で平均時間2時間15分で、最も熟睡時間が短いのは40代男性で、1時間35分でした。また、世代別の睡眠時間では、最も長いのは10代女性で6時間46分、最も短いのは50代男性で5時間46分でした。
睡眠はその寝ている時間よりも質と言われることがありますが、時間、質とも10代の女性が一番長く、40代50代の男性が最も短いということです。女性の場合、「若返り」の効果がある女性ホルモンの分泌が多いため、睡眠に関しても男性より「若い」傾向が見られ、そのため、熟睡時間も睡眠時間も男性より長い傾向にあるそうです。
睡眠は脳と体を休めるために必要と言われ、年齢を重ねるごとに様々な経験が増えるため、脳が処理すべき事柄が減り、睡眠時間も減っていくと言われますが、「老化」という点からすると、睡眠時間が減ることは「老化」のスピードを早めてしまうことになり、決していい話ではありません。
この調査を受けて、「睡眠の質を上げて、睡眠時間を長くするためには」日本の睡眠医療の第一人者である、東京睡眠医学センター長の遠藤拓郎先生によれば、
1. 午前0時から午前6時の間に眠る
2. 決まった時刻に寝て、決まった時刻に起きる
というお話でした。これはまさに昔の日本人だったら誰でも当たり前のことなんですが、現代人ができていないだけのことなのです。毛髪は23時~2時の寝ている間だけに作られるとか、夜中に働くと一気に老けるとか色々な健康話がありますが、要は毎日早寝早起きを実践している人が元気で若々しいということになるのでしょう。あなたはこの一ヶ月、12時前に寝たこと何回ありましたか?
SankeiBiz (2016) 「熟睡時間はたったの「1時間半」! 最も熟睡できていないのは○○代男性だった」 , <http://www.sankeibiz.jp/econome/news/161016/ecb1610161607001-n1.htm> 2016年11月2日アクセス