長生きしたら長生きしたで。。健康 と認知症
世の中健康志向が高まっていて、やれマラソンだの、やれ減塩だの、やれサプリだの、体にいいことが毎日山のように話題になっています。でもこんなに健康思考が強い国はおそらく日本だけでしょう。健康食品とゲームのコマーシャルがこんなにも多い国は日本だけですから。当然、元気で長生きできることはいいことです。大病してから大手術で一命をとりとめるのではなく、病気にならない体作りをすることは、家計にとっても家族にとっても負担がかからないからです。
ところが、もう日本人は十分長生きになっていたのです。もう世界でも有数の長寿国家です。これは当然理想の国で、喜ぶべきことなのですが、その裏で大問題が起きてしまっていました。そうです、認知症です。
今や、65歳以上の5人に1人が認知症になっています。認知症は、脳の細胞が壊れていく病気なので、他の病気のように治癒するものではなく、それが悪化することを遅らせることしかできません。日本の認知症は、その6割がアルツハイマー型で、その原因は側頭葉や頭頂葉にアミロイドβというたんぱく質のゴミがたまって細胞を破壊するものです。つまり、このたんぱく質がどれだけ蓄積されるかということなので、ある意味生活習慣病とも言えるのです。糖尿病はアルツハイマー病のリスクを2倍に高めますし、アルツハイマー病患者の60%がメタボであるという報告もあります。
とすると、結果として健康的な生活を送っている人ほど、認知症になりにくいのかもしれません。適度な運動、血管を健康に保つオメガ-3系の油の摂取、抗酸化を助けるフィトケミカルを多く含む野菜の摂取、そして何よりも人との交流や趣味で楽しい生活を送ることが最も大切と言われています。
長生きしたら、体も頭も健康でいられるよう、それなりの生活をしないといけないのですね。でも結局は、おっくうがらずに体を動かし、粗食でいればいいだけなのかもしれません。昔から、人間の一生に食べる食糧の量は決まっていると言われます。つまり、現代人は食べすぎなのであり、それだけ寿命を自分で縮めているのでしょう。
最近腹8分で終わったことがありますか?お腹がグーグー鳴るまで何も食べなかったことはありますか?私はあまりそんなことがなくなってしまいました。あまり食べなさ過ぎて、栄養失調や拒食症になるのも逆効果ですが、なんとなく腑に落ちる話ですね。