プロポリスはどのような事について調査・研究されているか?
プロポリスは、4,000年以上の歴史を持つと言われる一方、未だにその成分や作用など解明されていない所が多いと言われています。そこで、今回のブログでは、プロポリスがどんな点について調べられているかについて調べてみました。
今回の調査は、世界の主要医学系雑誌に掲載された記事を調べることができる世界最大級のデータベース、PubMedにどれだけの数のプロポリスに関する記事や論文が投稿されているかを客観的に羅列してみました。このデータベースは、健康食品が臨床試験なしに機能性食品として受理される際に最も利用されるデータベースで、信頼性が高いものです。(調査日:2017年5月30日)
ここには英語で書かれた論文ばかりが収載されていますので、先ず"Propolis"と検索してみました。すると、全部で2,527件の論文が見つかりました。これは他の物質、例えば誰もが知っている"Collagen(コラーゲン)"で検索すると、194,450件と圧倒的な数ですが、他の"DHA"だと11,542件、"Chlorella(クロレラ)"だと5,512件、"astaxanthin(アスタキサンチン)"だと1,563件、またハチ関連物質で比較すると、"Heney(ハチミツ)"では936件、"Royal jelly(ローヤルゼリー)"は670件、"Bee pollen(ハチの集めた花粉)"は1,089件と、プロポリスが少なくともハチ関連物質の中では最も注目されていることがわかります。
次に、この2,527件の論文のうち、どういった内容の論文が多いかを調べてみました。これは、"Propolis"と検索キーワードを入れると、よく検索される言葉(サジェストワード)が表示されるので、それらを全て抜き出し、関連する論文の数を調べてみました。
その結果、以下のキーワードの順で多くの論文が書かれていることがわかりました。
検索キーワード | 日本語訳 | 件数 |
antimicrobial | 抗菌性の | 1942 |
extract | 抽出物 | 697 |
antioxidant | 抗酸化作用のある | 607 |
oral | 口腔の | 362 |
cancer | 癌 | 355 |
antibacterial | 抗菌性の | 307 |
composition | 合成物 | 276 |
dentistry | 歯科 | 208 |
dental | 歯の | 204 |
immune system | 免疫システム | 196 |
allegy | アレルギー | 152 |
wound | 外傷 | 145 |
skin | 皮膚 | 145 |
review | 検査 | 141 |
candida | カンジダ菌 | 116 |
immune | 免疫の | 109 |
diabetes | 糖尿病 | 59 |
prostrate | うつぶせになった | 29 |
herpes | ヘルペス | 20 |
これは各研究の結果が、そうした効果がある/なしについて肯定的だったか、そうでなかったかを示すものでは全くありませんが、研究者が興味を持っていたトピックであることは確かでしょう。
これを見ておくと、今後どのような機能性をプロポリスで謳うかについての目安になるかとも思われましたが、機能性食品は、直接疾病の治癒などを謳うことはできないことを考えると、これらの論文はプロポリスが機能性食品として受理されるには不向きであり、機能性食品プロポリスへの道はまだまだ険しいと言わざるを得ません。